余裕という名の美しさを求めて
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旅先に持って行くワードローブについては、昔から頭を悩ませてきました。
行き先や目的、共にする相手、そしてその時の自分の気分。
すべてを満たすTPOに合った服装を、限られたスペースに収める。何気ない行動に見えて、その人のファッション観が浮き彫りになる瞬間ではないでしょうか。
それはそれは、はるか昔。
私が大学生の頃、卒業する前に友人3人で南国に海外旅行を計画していたときのこと。
卒業論文はとうに提出し終わっているはずが、何度も修正を重ね、旅行直前まで制作に追われていました。 やっと完成したのは出発当日の午前4時。教授にデータを送信し、1時間後には家を出なければならないというタイミングでした。当然、荷造りなど何もできていません。シャワーも浴びたいし、クローゼットは冬の顔。とりあえず、クローゼットの奥の方から水着と夏服を数着取り出し、「パスポートさえあれば、なんとかなる」と自分に言い聞かせ、空港へ飛び出しました。
現地に到着し、私のほぼ空っぽのスーツケースを見た友人たちはびっくり。彼女たちは出発の1週間も前からいろいろ悩み、厳選したワードローブを整えてきたそうです。きっと私は、だらしない人間だと思われたでしょう。けれど「この子らしい」と思われたのかもしれません。
現地で調達しようと思ってはいたのですが、旅先で着る服を探す余裕など、実際にはどこにもありませんでした。
結局、友人たちは自分の選び抜いた一軍の服を惜しげもなく貸してくれたのです。(なんて優しい!)そのお洋服のおかげか、レストランやバーでは一層丁寧にもてなされた記憶さえ残っています。
彼女たちは旅行前からワクワクし、出発前から旅を楽しんでいた。一方の私は「飛行機に乗れた、もう大丈夫」という瞬間からようやく楽しむモードになったのです。
あの時思いました。
「なんてもったいないことをしたんだろう」そして「私も、余裕のある女性になりたい」と。
今でも荷造りをするとき、あの時の自分を思い出してはクスッと笑ってしまいます。だからこそ今は、旅先に持って行くワードローブをあれこれ考える女性になったのです。
ゆったりと旅の支度を楽しむ、私の憧れる「余裕のある大人の女性像」。
その想いが巡り巡って、THE MELLOWのトラベルポーチ制作に繋がったのかもしれませんね。
旅支度のひとときさえも、自分を大切に扱い、心を整える時間にしてほしい。
ポーチ一つにも物語を宿し、持つ人の人生にそっと寄り添う存在でありたいと願っています。